こんにちは。現役で車の営業をしている者です。下取りの話をしていると、こう言われることがあります。
「一括査定って、電話がすごいって聞くので怖くて…」
その心配、正しいです。ただし仕組みを知って選べば、電話ラッシュはほぼ避けられます。実際、避けられる方式のサービスも増えています。
この記事では、一括査定の本当のメリットとデメリット、そして後悔しない使い方を、売る側の立場から正直にお話しします。
なお、「まだ売ると決めていないので、電話は一切なしで大まかな相場だけ知りたい」という段階の方は、電話なしで車の売却相場を調べる方法から先に読むのもおすすめです。
一括査定とは何が「一括」なのか

一括査定とは、1回の入力で複数の買取店に査定を依頼できるサービスです。「一括」なのは申込みの手間であって、査定そのものではありません。
なぜこれが有利かというと、買取店同士が競争するからです。1社だけに見てもらうと、その金額が高いのか安いのか判断できません。複数社が同時に金額を出せば、自然と相場に近づきます。
実際、同じ車でも店によって数万円〜十数万円の差が出ることは珍しくありません。売り先の在庫状況や、その店が欲しい車種かどうかで変わるためです。
ディーラーの下取り額も、実は「相場」を基準に決めています。つまりあなたが相場を知っているかどうかで、商談の結果が変わります。査定を受けること自体が、交渉の材料になるんです。
なぜ電話が集中するのか(仕組み)
ここが一番のデメリットなので、包み隠さず説明します。
従来型の一括査定は、あなたの連絡先が申し込んだ買取店すべてに渡ります。買取店にとっては早い者勝ちなので、申込直後から電話が鳴り始めます。5社に申し込めば5社から、しかもほぼ同時に。
電話が多いこと自体より問題なのは、断りきれずに流されてしまうことです。「今日中なら」と即決を迫られ、相場を知る前に売ってしまうケースがあります。急かされたら、「他社の結果が出てから決めます」の一言で十分です。それで態度が変わる会社なら、そもそも選ぶ必要はありません。
電話ラッシュを避ける3つの方法
対策はシンプルです。
① 連絡先が拡散しない方式を選ぶ
最近は、買取店に個人情報を渡さず、金額の提示だけを集める方式のサービスがあります。オークション形式で各社が金額を出し、あなたは結果を見て選ぶだけ。窓口が1社にまとまるので、電話は基本的に1本で済みます。
② 申し込む時間帯を選ぶ
従来型を使う場合は、夜遅くや休日の夕方に申し込むと、着信が翌営業日にまとまりやすくなります。
③ 連絡方法の希望を書く
備考欄に「メールでの連絡希望・電話は19時以降」と明記しておくと、守ってくれる会社は多いです。
すでに電話が鳴り止まないときは
対策を知らずに従来型へ申し込んでしまい、今まさに何件も着信が続いているという相談も受けます。その場合は、着信のたびに出て断るより、「他社で決めたので結構です」と一言だけ伝えて切るのが早いです。すべて無視して着信拒否にすると、いちばん良い条件を出してきた会社の連絡まで逃してしまうことがあるので、そこだけは注意してください。
使ったほうがいい人・やめたほうがいい人
| 使う価値が大きい人 | 無理に使わなくていい人 |
|---|---|
| 年式が新しい・走行距離が少ない | 10年落ち・過走行で価値が付きにくい |
| 人気車種・SUV・ミニバン | 不人気車で差が出にくい |
| 乗り換えまで時間に余裕がある | 明日にでも手放したい |
| 下取り額が妥当か確かめたい | 手続きの手間を最優先したい |
営業として本音はなく私のブログを読んでいる方に対しては、「下取りに出すつもりでも、相場だけは知っておいてほしい」です。知らないまま商談に来る方と、知っている方とでは、結果的に総額が変わってしまうからです。
なお、すでにエンジンがかからない・事故で動かせないという状態なら、一括査定より先に廃車専門の窓口を検討したほうが早いこともあります。動かない車の処分費用や手順は動かない車の処分費用はいくら?売れるケースと廃車の手順にまとめています。
申し込む前に決めておくと、やり取りが早く終わる
電話の負担を減らすには、事前の準備がいちばん効きます。申し込む前にこの3つを決めておいてください。
- 売る時期の目安:「今月中」「車検が切れる前」など。これが決まっていないと、業者側も判断できず何度も連絡が来ます
- 最低ラインの金額:いくら以上なら売るのかを自分の中で決めておく。決めていないと、その場の勢いで判断することになります
- 連絡が取れる時間帯:申し込みフォームの備考欄に書いておくと、それを守ってくれる業者もあります
また、車検証を手元に置いてから申し込んでください。年式・型式・グレード・走行距離を正確に入力できると、提示額のブレが小さくなり、確認の電話も減ります。
査定額が出たあとの進め方
金額が出そろってからも、いくつか注意点があります。
いちばん高い金額がそのまま最終額とは限りません。実車を見てから減額されることがあります。修復歴や機関の不具合は隠さず伝えたほうが、結果的に話が早く済みます。
その場で決めるよう急かされても、即答しなくて構いません。「他社の結果を見てから決めます」と伝えれば十分です。
名義変更の完了まで確認してください。引き渡して終わりではありません。手続きが済んでいないと、税金の通知が自分に届くことがあります。
売る前にやっておくと金額が変わる準備は、こちらの記事にまとめています。
まとめ
- 一括査定の「一括」は申込みの手間のこと。競争で金額が上がる
- 電話が集中するのは連絡先が各社に渡る方式だから
- 連絡先が拡散しない方式を選べば、電話ラッシュは避けられる
- 急かされたら「他社の結果を見てから決めます」でよい
- 下取り予定でも、相場だけは知っておくと損をしません
車を売るのは数年に一度です。少しの手間で数万円変わることもあるので、まずは相場の確認から始めてみてください。
この記事を書いた人
シャカツ(中古車の買取・販売店で営業・4年目)
中古車の買取と販売を専門にする店で、査定、買取の交渉、販売、見積もり、納車、保険の案内まで担当しています。毎日のように実車を査定し、車を手放す場面と選ぶ場面の両方に立ち会っています。「知らなかっただけで損をする人」を何度も見てきたことが、このブログを始めた理由です。売る側・買う側どちらの本音も含めて、断定できないことは断定せずに書いています。


コメント