サンシェードは効果ない?JAFの実測で分かる本当の効き目

フロントガラス越しの視界とダッシュボード 快適装備・カー用品

こんにちは。中古車の買取と販売の店で営業をしている、シャカツです。この仕事も4年目になりました。

夏になると、お客様から必ずと言っていいほど聞かれます。

「サンシェードって、正直あんまり意味ないですよね?」

気持ちはよく分かります。実際、サンシェードを付けても車内の温度はほとんど下がりません。JAFの実測データでも、その差はたった2℃です。

でも、これで「効果がない」と結論づけるのは早いです。同じ実験で、ダッシュボードの表面温度は22℃も下がっています。

この記事では、実測データをもとに「サンシェードは何に効いて、何には効かないのか」をはっきりさせます。そのうえで、続けられるサンシェードの選び方まで書きます。

JAFの実測データ:何度変わるのか

まず数字から見ます。JAFが行ったユーザーテストの結果です。外気温35℃の炎天下に車を置いた状態での測定です。

測定場所 なし あり
車内温度(運転席) 52℃ 50℃ −2℃
ダッシュボード表面 74℃ 52℃ −22℃

この2行が、サンシェードの評価が真っ二つに割れる理由をそのまま表しています。

車内の空気の温度は、ほとんど変わりません。52℃が50℃になっただけ。どちらにしてもサウナです。

一方で、ダッシュボードの表面は74℃から52℃へ。22℃も違います。74℃は、うっかり触れば火傷しかねない温度です。

※データはJAFのユーザーテスト「真夏の車内温度」より。測定条件によって数値は変わります。

「効果がない」と言われる本当の理由

ネットで「サンシェード 効果ない」と言われるのは、車内の空気の温度だけで語っているからです。

たしかに、空気の温度を下げたいならサンシェードは力不足です。閉め切った車内の空気は、どうやっても50℃前後まで上がります。これを下げるのはエアコンの仕事です。

では、サンシェードは何をしているのか。日射が直接当たる「モノ」を守っています。

フロントガラスから入る日差しは、まずダッシュボードに当たります。次にハンドル、シート、シフトレバー。これらは日射を浴びて、空気よりずっと高い温度になります。

サンシェードは、この日差しを物理的に遮ります。だから空気ではなく、内装の表面温度に効くのです。

真夏にツラいのは温度より「触れないこと」

営業の現場で、真夏に何度も見てきた光景があります。

炎天下に停めていた車に戻ってきたお客様が、ドアを開けて座った瞬間に「熱っ」と声を上げる。そして、こうなります。

  • ハンドルが熱くて握れない。指先だけで、そっと回すことになる
  • シートが熱くて、腰を下ろした瞬間に浮く。黒い革シートは特に
  • 窓を開けるスイッチが熱い。まず窓を開けたいのに、そのスイッチが押しづらい
  • シートベルトの金具が熱くて、手に取れない
  • シフトレバーが握れず、発進すらできない

考えてみると、これは全部「日差しが直接当たる場所」です。ダッシュボードの上、その延長線上にあるハンドル、そして日が差し込むシート。

つまり、真夏の車で最初にツラいのは「空気が暑いこと」ではなく「触るものが全部熱いこと」なんです。エアコンをつければ空気は数分で冷えますが、74℃まで上がったダッシュボードとハンドルは、そう簡単には冷えません。

ここに、サンシェードの−22℃が効いてきます。

補足すると、エアコンで車内を早く冷やすにはまず窓を全開にして熱い空気を追い出してからエアコンを入れるのが効率的です。エアコンの効きが悪いと感じるときの確認ポイントもあわせてどうぞ。

車の色でも変わる(黒は白より約5℃高い)

もうひとつ、お客様によく聞かれるのがボディカラーの話です。

「黒い車って、やっぱり暑いんですか?」

結論から言うと、暑いです。JAFの実験では、真夏の炎天下で黒い車は白い車より車内の最高温度が約5℃高いという結果が出ています。

ボディが日射を吸収して熱を持つぶん、車内にも伝わります。黒やダークカラーの車に乗っている方が「うちの車は特に暑い」と感じるのは、気のせいではありません。

ただし、ここで大事なことがあります。

車内が暑くなる主な原因は、ボディではなく窓から入る日射です。ボディカラーが違っても、窓の大きさや角度は同じ。だから色による差はあっても、それだけで決まるわけではありません。

ちなみに、窓の面積が大きいパノラマルーフなどのサンルーフ搭載車は、通常より日射の影響を受けやすくなります。搭載を迷っている方はサンルーフのメリット・デメリットもあわせてご覧ください。

そして現実的な話として、色はもう変えられません。暑さのために乗り換えるのは非現実的です。

変えられるのは、窓から入る日差しを遮るかどうかだけ。黒い車に乗っている方ほど、サンシェードの効果は実感しやすいと思います。

サンシェードが続かない人の共通点

ここまで読んで「じゃあ使おう」と思っていただけたなら、いちばん大事な話をします。

サンシェードを買った方の多くが、途中で使わなくなります。納車後のお客様の車を見せてもらう機会が多いのですが、後部座席に畳んだまま置かれているサンシェードを、本当によく見ます。

理由ははっきりしています。面倒だからです。

折りたたみ式サンシェードと常時取付け型の手順の違い。折りたたみ式は5工程、常時取付け型は2動作

コンビニに5分停めるだけなら、まずやりません。真夏の炎天下で、この5工程を毎回やり続けられる人はそう多くない。結局、後部座席に置きっぱなしになって邪魔になる——これが一番よくあるパターンです。

効果があるかどうか以前に、使い続けられるかどうかが本当の分かれ目です。

ちなみに、こうして後部座席に置きっぱなしになるのはサンシェードに限った話ではありません。車内をスッキリ保つ収納・便利グッズ5選で紹介しているような「置き場所を決める」工夫をしておくと、畳んだサンシェードの定位置にも困りにくくなります。

「出し入れしない」という選択肢

最近は、この面倒くささを構造から解決した製品があります。常時取り付け型と呼ばれるタイプです。

フロントガラスの上部に一度取り付けたら、そのまま付けっぱなしにしておく。使うときは下に引き出し、しまうときはボタンひとつで自動的に巻き取られる。展開も収納も2〜3秒で終わります。

ロールスクリーンを想像してもらうと近いです。取り出す・広げる・畳む・しまう、という工程がまるごと消えます。

使っていないときは巻き取られた状態でガラス上部に収まるので、運転中の視界を妨げない設計になっています。

1万円をどう考えるか(正直な話)

ここは正直に書きます。常時取り付け型は、折りたたみ式より圧倒的に高いです。

折りたたみ式 常時取り付け型
価格の目安 1,000〜2,000円 1万円台
使うまでの手間 毎回5工程 毎回2動作
置き場所 車内のどこかに置き場所が必要 ガラス上部に収まる

約10倍です。ここで「高い」と感じるのは当然だと思います。

ただ、私が営業として思うのは、比べるべきは価格ではなく「使い続けられるか」だということです。

1,500円で買って3回使わなくなったサンシェードは、1回あたり500円です。そして守れたのは3回ぶんのダッシュボードだけ。一方、毎日使えるものなら、1シーズンで100回以上使うことになります。

車の用品は「安く買って使わなくなる」が本当に多い分野です。ドリンクホルダー、収納グッズ、シートクッション。納車後のお客様の車を見せてもらうと、買ったまま使われていないものをよく見かけます。

安さで選んで使わないより、続けられるものを選ぶほうが結果的に安い。これは用品全般に言えることだと思っています。

年間の維持費全体で見ると、1万円がどれくらいの重さなのかが分かります。何にいくら払っているかは車検費用の内訳と安くする方法で一度整理してみてください。

逆に、こういう方は折りたたみ式で十分です。屋根付きの駐車場がメインで直射日光をあまり受けない方、車に乗る頻度が週1回程度の方、出し入れが苦にならない方。無理に高いものを買う必要はありません。

買う前に確認しておきたい4つ

買ってから「しまった」とならないように、先に確認しておきたい点を挙げます。

① 自分の車が対応しているか
車種別の設計なので、対応表の確認は必須です。国産8メーカー(トヨタ・日産・ホンダ・ダイハツ・スズキ・マツダ・スバル・三菱)に対応する一方、レクサスや一部の輸入車(ベンツ・BMW・アウディ・ボルボ・ジープ・フォルクスワーゲン・ランドローバー)は非対応です。ここは最初に見てください。

② 車検のときは外す前提で考える
フロントガラス周辺に取り付けるものは、保安基準に関わる部分です。公式サイトのレビューにも「車検のときに外された」という声があります。2年に一度、着脱の手間がかかる可能性は見込んでおいたほうがいいと思います。気になる場合は、購入前に販売店や整備工場に確認しておくと確実です。

③ 運転中の視界
使っていないときはガラス上部に巻き取られ、視界を妨げない設計と説明されています。ただ、感じ方には個人差があります。サンバイザーの位置に何かがあるのが気になるタイプの方は、慎重に検討したほうがいいでしょう。

④ 取り付けは自分でやる
付属の工具を使って自分で取り付けます。レビューでは「取り付けも簡単」という声が多いですが、工具を使った作業が苦手な方は、そこも含めて判断してください。

まとめ

  • サンシェードで車内の空気は2℃しか下がらない。ここだけ見ると効果は薄い
  • ただしダッシュボードの表面温度は74℃→52℃で22℃も下がる
  • 真夏の車でツラいのは空気よりハンドル・シート・スイッチが熱くて触れないこと。そこにこそ効く
  • 黒い車は白い車より車内最高温度が約5℃高い。色は変えられないが、日差しは遮れる
  • 効果より大事なのは使い続けられるか。挫折の原因は毎回の出し入れ
  • 常時取り付け型は1万円台と高い。ただし使わない安物より、続けられるほうが結果的に安い

「サンシェードは効果がない」と言い切る前に、何を測った数字なのかを見てみてください。空気の温度で判断すると効果は小さく見えますが、実際に手が触れる場所では20℃以上の差が出ています。

次に炎天下から車に戻ったとき、ハンドルを握れるかどうか。判断はそこで決まると思います。

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この記事を書いた人

シャカツ(中古車の買取・販売店で営業・4年目)

中古車の買取と販売を専門にする店で、査定、買取の交渉、販売、見積もり、納車、保険の案内まで担当しています。毎日のように実車を査定し、車を手放す場面と選ぶ場面の両方に立ち会っています。「知らなかっただけで損をする人」を何度も見てきたことが、このブログを始めた理由です。売る側・買う側どちらの本音も含めて、断定できないことは断定せずに書いています。

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