こんにちは。現役で車の営業をしている者です。納車のときによくお伝えするのが、キズを付けない洗車の正しい手順です。
意外に思われるかもしれませんが、車のキズの多くは、走行中ではなく洗車でついています。特に黒や紺の車で「細かい線キズが増えてきた」という方は、洗い方に原因があることがほとんどです。
この記事では、キズを付けずに仕上げるための正しい手順を、順を追って解説します。
洗車キズがつく本当の仕組み

洗車キズの正体は、ボディに付いた砂やホコリを、スポンジで引きずったことによる摩擦キズです。
つまり、スポンジやシャンプーが悪いのではありません。砂を落としきる前にこすったことが原因なんです。
これを理解すると、正しい手順が自然と見えてきます。
- まず水で砂を流す(こする前に落とす)
- スポンジは常にきれいな状態を保つ(拾った砂を持ち回らない)
- 汚れの多い場所は最後に洗う(砂をボディに移さない)
下取り査定で「洗車キズが目立つ」と評価が下がることがあります。特に濃色車は光の角度で細かいキズが浮き出るため、影響が大きいんです。逆に言えば、正しい洗い方を続けるだけで、売るときの評価が変わります。
洗う前に決めておくこと
作業に入る前に、この2つを確認してください。
① 時間帯と場所を選ぶ
直射日光の当たる炎天下は避けてください。水やシャンプーがすぐ乾いて、乾いた跡(ウォータースポット)が残ります。
おすすめは曇りの日、または早朝・夕方。ボディが熱くなっていない状態が理想です。
② 道具をそろえる
最低限、これだけあれば十分です。
- バケツ2つ(洗う用・すすぐ用)
- カーシャンプー(コーティング施工車は対応品を)
- 柔らかいスポンジ(ボディ用とホイール用は必ず分ける)
- マイクロファイバークロス(拭き上げ用。数枚あると安心)
特に大事なのが「バケツ2つ」と「スポンジの使い分け」です。この2つだけでキズのリスクが大きく減ります。
キズを付けない洗車の手順

順番を守るだけで、仕上がりがまったく変わります。
手順①:たっぷりの水で流す(最重要)
スポンジを持つ前に、上から下へたっぷり水をかけて砂を落とします。ここを省略すると、あとの工程がすべて「砂でこする作業」になってしまいます。
時間をかけてよい工程です。急いでいるときほど、ここだけは丁寧に。
手順②:上から下へ洗う
ルーフ → ガラス → ボンネット・トランク → ドア → バンパー下部、の順です。
下側ほど汚れがひどいので、先に洗うとスポンジが砂だらけになり、それを上のきれいな面へ運んでしまいます。
手順③:スポンジは直線的に動かす
円を描くように洗う方は多いのですが、直線(前後方向)に動かすほうがキズが目立ちません。円状のキズは光を乱反射して目立ちやすいためです。
力を入れる必要もありません。シャンプーの泡で汚れを浮かせて、なでるように動かすのがコツです。
手順④:こまめにスポンジをすすぐ
1パネル洗うごとに、すすぎ用のバケツでスポンジを洗ってください。これがバケツを2つ使う理由です。
手順⑤:ホイールは最後、専用スポンジで
ホイールにはブレーキダストという鉄粉が付いています。これをボディ用スポンジで触ると、そのままボディを傷つけます。必ず別の道具を使い、最後に洗ってください。
下回りまで洗える環境なら、ついでにアンダーコートの状態も目視でチェックしておくと、サビの兆候に早く気づけます。冬場に融雪剤の中を走った車は特に、下回りの汚れを残さないことがサビ対策の第一歩です。
拭き上げが仕上がりを決める

洗い終わったら、すぐに拭き上げてください。ここを放置すると、せっかくの洗車が台無しになります。
拭き上げのコツはこちらです。
- ゴシゴシこすらない:クロスを置いて、水分を吸わせるように滑らせる
- クロスが濡れたら替える:びしょ濡れのクロスでは拭けません
- 上から下へ:洗うときと同じ順番で
- ドアの内側・給油口も忘れずに:閉めたときに水が垂れてきます
拭き上げのついでに、ワイパーのゴムも指でなぞって状態を確認しておくと安心です。乾燥や紫外線でひび割れていると、雨の日に拭き取りのスジが残るようになります。交換の目安はワイパー交換時期の目安と選び方にまとめています。
拭き上げに古いタオルや衣類を使うのは避けてください。繊維が硬く、細かいキズの原因になります。また、地面に落としたクロスをそのまま使うのも厳禁です。砂を拾っているので、ヤスリでこするのと同じことになります。落としたら必ず洗ってから使ってください。
拭き上げまで終えたら、ワックスやコーティングでツヤを仕上げるのもおすすめです。ワックスとコーティングの違いは?長持ちさせる洗車のコツで、それぞれの特徴と長持ちさせるコツを解説しています。
やってはいけないNG行動
最後に、よく見かける「やりがちだけど避けたいこと」をまとめます。
| NG行動 | なぜダメか |
|---|---|
| 炎天下で洗う | 水が乾いてシミになる |
| 水をかけずにいきなりこする | 砂を引きずってキズになる |
| 食器用洗剤を使う | ワックスやコーティングを落としてしまう |
| 鳥のフンをこすって落とす | 固まった状態でこするとキズに。水でふやかしてから |
| ホイールとボディを同じスポンジで | 鉄粉がボディを傷つける |
頻度については、月1〜2回の水洗いで十分です。汚れをためないことがいちばんの塗装対策になります。
車のガラスコーティングは必要?営業マンが教える効果と選び方
ボディカバーは必要?青空駐車の塗装を守る効果と失敗しない選び方
査定額が変わる。車を売る前にやるべき準備と、やらない方がいいこと
ちなみに洗車は、車を売る前の準備としても効きます。査定額が変わる。車を売る前にやるべき準備と、やらない方がいいことで、査定前にやるべきことを整理しました。
まとめ
- 洗車キズの正体は砂を引きずった摩擦。落としてから洗うのが大原則
- 曇りの日か早朝・夕方に。炎天下は避ける
- バケツは2つ、スポンジはボディ用とホイール用で分ける
- 上から下へ、直線的に、力を入れずに
- 拭き上げまでが洗車。自然乾燥は白いシミの原因
正しい手順を一度覚えてしまえば、あとは同じことの繰り返しです。愛車をきれいに保ってください。
この記事を書いた人
シャカツ(中古車の買取・販売店で営業・4年目)
中古車の買取と販売を専門にする店で、査定、買取の交渉、販売、見積もり、納車、保険の案内まで担当しています。毎日のように実車を査定し、車を手放す場面と選ぶ場面の両方に立ち会っています。「知らなかっただけで損をする人」を何度も見てきたことが、このブログを始めた理由です。売る側・買う側どちらの本音も含めて、断定できないことは断定せずに書いています。


コメント